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食品ロス削減のための賞味期限の「年月表示」とトレーサビリティ

食品ロスは、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」のターゲットの一つとして、削減目標が定められるなど、社会の関心が高まっており、日本国内でも事業者に求められる役割はますます大きくなってきています。

ここでは食品関連事業者に求められる取り組みのうち「賞味期限の年月表示化」と、年月表示にした場合に懸念される「トレーサビリティの確保」に関するイーデーエムのご提案をご紹介いたします。

日本の食品ロスの状況と削減目標

日本の「食品ロス量」は年間で約464万トン、このうち家庭系食品ロス量は233万トン、事業系食品ロス量は231万トンとされています(参考資料:農林水産省及び環境省「令和5年度推計」)。

日本では2000年に「循環型社会形成推進基本法」及び「食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律」が制定され、食品ロス削減を推進してきましたが、SDGsの国際目標の達成に向け、2019年に「食品ロスの削減の推進に関する法律」を制定。この法律に基づき2020年3月に閣議決定された「食品ロスの削減の推進に関する基本的な方針」において、食品ロスを2000年度比で2030年度までに半減することが目標とされました。
2025年3月に閣議決定された「第2次基本方針」では、2022年時点で目標を達成した事業系については2000年度比で2030年度までに6割減とする目標が新たに設定されています。

事業系食品ロス削減への取り組み

食品リサイクル法に基づいた「食品循環資源の再生利用等の促進に関する基本方針」(2025年3月策定)では、以下の記述がされています。
※三 食品循環資源の再生利用等の促進のための措置に関する事項、2 官民を挙げた食品ロスの削減より抜粋。太字は弊社による。

食品関連事業者に求められる取り組み

イ 食品関連事業者

食品ロスの削減は、食品廃棄物等の削減という環境的側面からの便益のみならず、食品関連事業者の経営的側面からの便益や地域社会への支援等の社会貢献にもつながるものであり、食品関連事業者においては、環境対策としてだけではなく経営改善の一環や社会貢献活動として積極的に食品ロス削減に取り組んでいくことが期待される
サプライチェーン全体を通じて、最新の技術を活用した需要予測サービスの普及による在庫の適正化、フードシェアリング等のサービスの活用、フードバンク等への未利用食品等の寄附、自らの取組に関する情報を適切に提供することによる消費者の理解の促進等の取組を行うほか、食品製造業者、食品卸売業者、食品小売業者及び外食事業者にはそれぞれ次の取組を進めていくことが期待される。

食品製造事業者に求められる取り組み

(1)食品製造業者

食品製造業者には、食品原料のより無駄のない利用、製造工程及び輸送行程における鮮度保持等による自らの事業活動に伴い発生する食品ロスの削減に加え、賞味期限の延長及び年月表示や日まとめ表示等の賞味期限の表示方法の工夫等による食品関連事業者から発生する食品ロスの削減につながる取組に努める。また、消費実態に合わせた商品の容量の適正化による家庭等からの食品ロスの削減が期待される。

食品ロス対策としての賞味期限の年月表示

食品表示基準では、品質が急速に劣化しやすい食品には消費期限を年月日で、それ以外の食品は賞味期限を年月日で表示することとされていますが、製造または加工日からの賞味期限が3か月以上の食品については「年月」での表示が認められています。賞味期限の年月表示は、食品ロス削減のために食品製造業者が努める取組として示されており、飲料、調味料、菓子、冷凍食品などの業界で導入が進んでいます。

賞味期限の年月表示で期待できること

賞味期限の年月表示により次の効果が期待できるとされています。

食品ロスの削減

小売店舗への納入済み商品より賞味期限が前の商品の納入が拒否されるため、年月日表示では物流拠点間の商品の転送ができず廃棄となっていた在庫が、年月表示では同一期限となることで転送可能となり、食品廃棄を削減。

業務効率化

日付管理から月管理になることで、「保管スペースの極小化」「ピッキング省力化」「日付管理・検品等作業省力化」「期限確認・陳列作業効率化」「運搬・積載効率化」など、メーカー・卸売業・小売業それぞれに業務効率化が可能。

賞味期限の年月表示の課題

一方で、賞味期限の年月表示には次の課題があります。

賞味期間の短縮

年月表示では、賞味期限が月の末日以外の場合には、前月の年月で表示する必要があるため、最大1か月賞味期間が短くなります。納品期限が厳しいままでは限界があるため、「納品期限の緩和」(賞味期間の1/3までに小売に納品しなければいけない商慣習上の期限を1/2に緩和)、「賞味期限の延長」の推進が、年月表示の拡大には重要とされています。

賞味期限の日まとめ表示

「年月表示」の課題への対応として、年月日表示のまま、異なる製造日の商品について表示する賞味期限を統一する、「日まとめ表示」により、類似の効果を得ることも可能とされています。

トレーサビリティの確保が困難

年月表示をしており製造日が特定できない場合には、商品回収等が必要な際の対象が月単位に拡大されます。対象範囲が広いため原因の特定にも時間を要しかねません。万一の際に、すみやか対応するためには、より小さな単位でのトレーサビリティの確保が必要です。

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